教室案内

教授あいさつ

Greeting

人と人を取り巻く
環境を研究し、
健康寿命を延ばし、
より良い社会の構築を目指す

教授 辻 真弓

Mayumi Tsuji

2019年4月1日より、川本俊弘名誉教授の後を受け、医学部衛生学講座を担当させていただいております。医学部を取り巻く環境が厳しさを増す状況で、児玉泰名誉教授、川本俊弘名誉教授に引き続き3代目教授としてバトンを渡され、責務の重さに身の引き締まる思いです。

私は、1995年に鹿児島大学医学部に入学いたしました。臨床研修終了後、同大大学院へと進み、疫学予防医学講座の秋葉澄伯教授のご指導のもと、環境因子の中でも特に化学物質に着目し、アレルギー児を対象とした小児分子疫学研究を開始いたしました。また、市中のアレルギー専門医院等で臨床医の実務も経験し、2008年からは熊本大学大学院生命科学研究部公衆衛生学分野にて、小児分子疫学研究を行うとともに、2010度から開始予定であった環境省エコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)の始動に向け、アメリカのコホート調査の視察メンバーやエコチル調査のスタッフとして活動しました。また2010年から1年間、日本学術振興会優秀若手研究者海外派遣事業によりカリフォルニア大学デービス校に留学し、FumioMatsumura教授のご指導のもと、アレルギーになりやすい体質を持つ小児は、環境中の化学物質の曝露を受けると炎症反応が増強されるということを明らかにしました。帰国後2011年から、カリフォルニア大学同門の先輩でもあり、またエコチル調査コアセンター長でもあった川本俊弘先生が教授を務めておられた産業医科大学衛生学講座に異動し、産業医学研究にも着手しております。近年では、様々な分野の研究者の方々と共同し、溶接等作業に従事する労働者を対象としたフィールド調査を活発に行っています。

衛生学は「生を衛(まも)る」、すなわち人と人を取り巻く環境を研究し、健康寿命を延ばし、より良い社会の構築を目指すための学問です。医学部卒業後に社会医学系の教育・研究に携わる者は残念ながら多くはありませんが、社会医学系科目で学ぶ知識や技術の多くは、臨床医・産業医になっても必要とされるものです。患者さんや労働者がどのような家庭・職場環境で生活を行ってきたのか、その生活の中のどのような環境因子が疾患の発症・増悪に関与しているのか、ということを常に意識しながら診療する能力を培うことは、医師にとって重要であると考えます。私は衛生学の講義を通して、患者さんや労働者をとりまく環境因子に思いを馳せることができる医学生の育成に愛情をもって臨みたいと思っています。

令和の時代を産業医科大学と共に歩んでまいります。産業医科大学の10年後、20年後をしっかり見据えて、研究および教育に精一杯の力を尽くしていきたいと思っています。

Access

アクセスマップはこちら

Contact

産業医科大学 医学部
衛生学講座

〒807-8555
福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1

Tel. 093-691-7429

Fax. 093-691-9341

ページトップへ戻る

JP / EN